社会保障費は今後も増え続ける
高齢化に伴って社会保障費が増大しています。そして今後も、増え続けることが予測されています。1947年から1949年に生まれた団塊の世代は、今年(2022年)中に後期高齢者(75才以上)の仲間入りし、2025年にはすべての団塊の世代が、後期高齢者となります。以下の表のように、2018年当初は1,798万人だった後期高齢者が、2,180万人となり、約382万人(21.2%)も増える想定となっています。
2018年 | 2025年 | |
65~74歳 | 1,760万人 | 1,497万人(△263万人) |
75歳~ | 1,798万人 | 2,180万人(+382万人) |
国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口(H29.4推計)
そこで問題視されているのが、後期高齢者が増えることによる「医療費」「介護費」の国庫負担の増加です。以下の表をご覧ください。これは、前期高齢者と後期高齢者では、どれだけ国庫負担が違うかを示したものです。
医療費国庫負担/人 | 介護費国庫負担/人 | |
65~74歳 | 8.0万円 | 1.3万円 |
75歳~ | 32.8万円
(前期の約4倍) |
12.8万円
(前期の約10倍) |
このように、後期高齢者となると国庫負担が、医療費では前期高齢者の4倍、介護費では10倍にもなります。“桁違いに増えている”といっても過言ではありません。年金なども含めて、高騰する社会保障費を抑えるために、国も地域も躍起となっています。なんとかしなければ、現役世代の未来(老後)に深刻な影響があるでしょう。
社会保障費を抑制する手段は?
社会保障費を“介護費”に限定して考えると、国庫負担を削減するための手段として私は、以下の3つの方法があると思います。
①財源を増やす
②「サービスメニュー」を減らす(対象者を減らす)
③「サービス(平均)単価」を落とす
この手段については次回のコラムで一つひとつ検証してみます。
第2回のコラムはコチラhttps://pf.japandayservice.com/%e3%81%8a%e5%bd%b9%e7%ab%8b%e3%81%a1/post-1982/
株式会社スターコンサルティンググループ 代表取締役
一般社団法人日本デイサービス協会 理事
糠谷 和弘