介護従事者の労働環境改善について

そのほか

一般社団法人日本デイサービス協会

理事長 森 剛士

現状の問題

デイサービスを始め介護従事者の人材採用については、厳しさが増してきています。更にその中に置ける有資格者の採用については、さらに困難を極め求人広告費、人材紹介等の人材採用費の増大に加え、人材派遣においても確保出来ない状況となりつつあります。労働人口の減少に加え、介護従事者として就労をする希望者の減少傾向です。政府としても問題として捉えて頂き、介護従事者の処遇改善や働き方改革といった取組の上に、介護の仕事についての魅力PRに取組はじめていることは協会としては評価しています。

「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが必要という方針のもと「働き方改革」として2019年4月より有給休暇年5日の取得義務が法整備されました。介護現場においても各法人の努力で同様に様々な労働環境改善を行っているところでありますが、配置義務のある有資格者に有給休暇を取らせる場合、同等資格者を代替要員として配置させる必要がありますが、これが希望する有給休暇の取得を阻む要因にもなっております。(一部の保険者では、配慮頂いている事例もあります)
ただでさえ人材不足の中、スポットでの代替要員の確保は困難を極めます。現場の人材不は更なる介護従事者の離職を引き起こし、負の連鎖が続く要因ともなる為、介護従事者の働く環境整備も急務となっております。
周知の通り、介護事業においては人材確保が出来ないことによるサービス品質の低下はもとより、休止や閉鎖となれば利用される要介護高齢者の在宅生活に大きく影響を及ぼすことにつながります。

職種毎のデイサービスにおける業務内容の見直し

上記理由により、要介護高齢者の生活維持の為にも、介護従事者の人材確保と定着の為の働き方改革を推進していくために、有給休暇を取得等、働きやすい環境を整える上で職種毎のデイサービスにおける業務内容の見直しと再検証を行い、人員配置基準について再検討の議論をするように求めていきます。

日本デイサービス協会では、協会理念に照らし合せ高齢者の視点にたち労働人口が減少していく中でも、高齢者の方々が住み慣れた自宅での生活の継続できるようにデイサービス事業者が持続可能なサービス提供環境を作れるように活動してまいります。