「デイサービス運営における総合事業実態調査結果」

お役立ち

1.調査背景

2015 年度の制度改正にて実施が決まり、2 年の移行期間を経て 2017 年 4 月より完全切替となった現在の総合事業について 4 年が経過している。様々な問題点があることが、デイサービス事業者より声として寄せられている現状に照らし合せ問題や課題を明確化するために加盟事業者に対し実態調査を行うこととした。

2.回答事業者

●日本デイサービス協会 会員事業者
●回答会員事業所数:113 事業所
●運営規模:地域密着型通所介護 42.9%、通常規模型通所介護 57.1%

3.調査結果

回答事業所 113 のうち総合事業を受託運営しているところは 64 であり、56.6%と半数強と言う結果となった。総合事業を受託している主な理由は「利用者本位」が最多の 60.0%となり利用者の希望を受け入れていることがわかった。受託している事業所の一部では、定員に対し 10~15%にする規定を設けており、その理由は「経営とのバランス」と回答している。また、総合事業を受託していない事業所についてその理由として 57.1%が「報酬が低い」としており総合事業の報酬単価が受託の有無に大きく影響している状況が判明した。さらにこの報酬単価について、運営事業所エリアでの単価について回答してもらったところ、厚労省のガイドラインに記載されている従前相当サービス費に対し 70~80%程度で実施されているところが大半となり、最も低いところでは 61%と約 4 割も低く設定されている事実が見えてきた。保険者毎にバラツキが大きい為引き続き調査が必要な部分であるが、今回の調査により利用者本位で運営をしていきたい意向はあるものの、報酬単価が低いことで受託をしなかったり、受入に制限を設けるなど経営とのバランスに苦慮している状況が判明した。

【総合事業の受託について】

■総合事業を受託運営している事業所の数:64 事業所

総合事業の単価

令和 3 年度より国の定める目安の額を勘案して具体的な額を定めることになった。次の単位を 100%
とした時、実際の単位がどの程度となっているか。
※通所介護サービス費(従前相当サービス費)加算を除く
●事業対象者・要支援1 1,655 単位/月
●事業対象者・要支援 2 3,393 単位/月
●事業対象者・要支援1 380 単位/1 回(月 4 回まで利用の場合)
●事業対象者・要支援2 391 単位/1 回(月 5 回~8 回利用の場合)
◇最も低い単位
従前相当サービス費対比 61.0%程度
◇回答が集中した単位
従前相当サービス費対比 70~80%程度
◇最も高い単位
従前相当サービス費対比 99.2%