2022年デイサービス5選事業所(ブルーミングラボ小田原)

デイサービス5選

発表ムービー

エントリーシート

題   名
自己負担
金額0円へ!!デイサービスの新しいスタンダード「働レク」の開発~ご利用者・地域企業・介護事業者三方よしで持続する社会保障制度へ~
目   的
現在、介護保険の利用者負担は「原則1割」の負担で、収入に応じて2~3割負担となっていますが、原則2割負担へ引き上げも検討されており、今後、ご利用者の自己負担金額が増えることが予想されます。そうなった場合、経済的な理由でこれまでと同じようなサービスを受けることが出来ず、結果として利用控え等による ADL の低下や家族の介護負担の増等が懸念されます。
こうした背景を受け、今後、自己負担割合が増えても、これまでと同じようにデイサービスに通いながら、いつまでも住み慣れた場所で在宅生活を継続することが出来るよう「経済的支援」「精神的支援」「地域貢献・地域に根差した事業所運営」を行うことを目的として、「働レク(わくレク)」の開発を行いました。
内   容( 何をしたのか )
■働レク((※※)(有償ボランティア活動等の社会参加活動)の開発
当社独自の造語で「働レク」と書いて「わくレク」と読みます!「レク」はレクリエーションの略。「働」を「ワク」と読ませているのは英語の「 Work 」と「ワクワク」をかけているからです。つまり働いてお金を稼ぐこと、そして働くことでワクワクすることです!
具体的には厚生労働省の通知(Vol. 669平成30年7月27日)に基づき、以下を実施しました。( 【 事業所にて実施 】 有償ボランティア活動等の社会参加活動の実施働レクの本格実施の為「ブルーミングラボ小田原浜町」( 2020 年 9 月 1 日開設: 20 名定員通常規模デイサービス)を開設し、当該事業所を中心としてスキーム開発や、実際に有償ボランティア活動を実施しました。
①経済的支援
有償ボランティア活動の参加実績に応じて当該活動の収益を全額ご利用者に還元し、事業所の利用者負担額の実質的な軽減(=経済的支援)を行う。
②精神的支援
『 誰かのためになっている 』『 社会の一員となっている 』 などの生きがい・やりがいを創る。
③地域貢献・地域に根差した事業所運営
地域住民の方々が気軽に事業所に訪ねられる環境を作り、事業所やご利用者、地域の介護の拠り所を創る。地元の企業との繋がりを作ることで地域に貢献する。
A
宅配寿司の箸詰めセット作り について大手の宅配寿司チェーンと提携し、お寿司に封入する割り箸のセッティング作業を行います。作業した個数に応じて、報酬をご利用者に還元します。開始当初は作業が滞ることがありましたが、今では毎月 800セット程を納品し、 2,500 円程の報酬を得ています。作業に入る際にはご利用者に割烹着に着替えて頂き、「仕事感」を高めます。コンスタントにお仕事を頂くことが出来ており、働レクのレギュラーコンテンツとなっております。
B
駄菓子の販売代理について
駄菓子の卸業者と提携し、「置き薬方式」にて事業所内に小さな駄菓子屋さんを設置。駄菓子の代理販売します。ご利用者には店番をして頂き、昔ながらの駄菓子屋さんの風景を生み出しました。売上の一部を店番代としてご利用者に還元します。コロナ禍で大々的な集客が出来ない為、毎月の報酬は 400 円程。報酬こそ多くありませんが、駄菓子を入口に、気軽に地域のお子さんやその保護者の方々が介護のプロである当事業所の職員に会う機会を創れたことは意味がありました。
C
オリジナルカプセルトイの開発と販売について働レクのオリジナルカプセルトイである「じぃじ&ばぁばの便り」を開発しました。働レクの作業としてご利用者が実際に手紙(便り)を書き、書いた手紙を協力企業様がカプセルトイとして一般向け販売し、その収益をご利用者に還元するものです。カプセルトイの販売会社、協力企業へ提案し、実現した企画になります。全国に広く展開するカプセルトイ企業、飲食店、お寺などに設置され、月間で 20 万円以上の大きな収益が見えています。直近では専用 SNS の開設や CM 動画も作成し、収益 UP を目指しています。
成   果( どうなったのか )
①経済的支援
ご参加いただきました有償ボランティア活動に対価として、これまで最大で約 3,000 円 月の自己負担軽減が出来ました。ご利用者の中には「 88 年の人生で初めて自分一人で稼いだ」と喜ばれているご利用者もおり、金額の大小や賃金を得ること以上の価値が生み出せています。協力会社との企画も順調に拡大し、自己負担軽減額は増えていっており、 2022 年にはご利用者自己負担 0 円が現実的になってきています。
②精神的支援
障がいやADLの状態に関わらず、それぞれの身体的特性を活かした参加方法を職員と一緒に考え、参加することで「生きがい・やりがい」や社会との繋がりを創出することができました。また、「 C オリジナルカプセルトイの開発と販売 」の企画では、実際に手紙を書いているご利用者様の中には、昔を思い出すと涙を流しながら書かれるご利用者もおり、レクリエーション以上の意義がある取り組みだと思います。
③地域貢献・地域に根差した事業所運営
コロナ渦ということもあり、イベント開催等は出来ませんでしたが、「 B 駄菓子の販売代理 」においては、依頼元企業様の協力をいただき、来店特典として「おまけ駄菓子」を準備し、駄菓子おまけ券と併せて事業所紹介の新聞広告チラシを配布致しました。これを見た住民の方が駄菓子おまけ券を持って来所いただき、それをきっかけとして、介護相談に乗ることができました。
④その他(ご利用者や職員や他の事業者の変化)
【 ご利用者の変化 】
働レクを実施することで、徘徊が見られなくなった、デイサービスを休まなくなった、ご利用者同士での会話や関係性が生まれた等、デイサービスご利用中のご様子に変化が見られました。
<具体的な事例>
100 代 女性 要介護 3 大きな既往歴はなし。動作見守りが必要。過去に転倒・骨折あり。認知症の診断は無いが、気分の起伏が激しく、突如怒鳴ることもあった。
<働レク実施後の効果
今までの生活が激変したことで精神的に不安定になり、怒鳴ることも多々あったが、働レクを行っている間は集中して作業を行い、継続することで怒鳴る等の行為も見られなくなった。不穏状態も落ち着いてきている。
【職員の変化 】
実際に導入している管理者にヒアリングを行った結果、働レクを導入したことで従業員の働く姿勢にも変化が見られ「働レクを導入していることにより、ご利用者・職員の達成感や満足度に繋がった」、「働レクでお金を得ることが生きがいに繋がる」という声が聞かれました。
【その他事業者の変化 】
働レクの趣旨に賛同した大阪の介護事業者が、一緒に働レクを広めたいと言ってくださり、11 月から働レクのライセンス契約を締結。事業者連携で働レクを広めていく形が出来た。

取材記事

高齢者住宅新聞様

介護ビジョン様