要介護1,2の日常生活支援総合事業制度への移行について

お役立ち

財務省による財政制度等審議会・財政制度分科会(令和4413日開催)において「第9期介護保険事業計画間に向けて、 要介護1・2への訪問通所介護についても地域支援事業への移行を検討し、 生活援助型サービスをはじめとて全国一律の基準ではなく地域実情に合わせた多様な人材・多資源を活用したサービス提供可能にすべきである。」と提言がなされました。その中で、要介護1,2を「軽度者」と位置づけされておりますが、要介護1,2の要介護高齢者の心身の状況、認知症状の状態、生活背景は様々であり決して一律的に「軽度者」と括ることのできない実情があります。

さらに当協会に日常生活支援総合事業制度(以下総合事業)においては、2015年度の制度改正にて実施が決まり2年の移行期間を経て20174月より完全切替となり5年が経過していく中で様々な問題が寄せられています。2021年にその実情を把握すべく実態調査を行い公表いたしました。

 

◆デイサービス事業者の 4 割強が未受託

協会独自調査(202110月公表)により、デイサービス事業者の約4割強が総合事業を受託していない現状が明らかになりました。受託運営してる事業者の6割が受託理由について「利用者本位」と回答しており多くの事業者は利用者が要支援・要介護の判定結果に左右されず継続的にサービス提供できる体制を維持しているものの、「報酬が低いこと」を理由に、利用者の受入に制限を設けていたり、受託を断念することにつながっていることが判明しております。

※「デイサービス運営における総合事業実態調査結果」https://www.japandayservice.com/pdfs/20211011.pdf

◆ケアマネジャーの半数が困惑する事態を経験

合わせて高齢社会ラボ(運営:株式会社エス・エム・エス、20211130日公表)のケアマネジャー向けに実施された【総合事業に関する調査】結果として以下のように公表されています。

「回答者の約半分が総合事業の利用において利用者が困惑する事態を経験しており、その経験の約6割はサービス事業者による利用者の受入れ拒否だった。また、全体の8割は要介護者12の総合事業移管について反対の意見を示しており、その理由の大半は、利用者が十分にサービスを受けられなくなることに対する懸念だった。」介護保険制度のキーマンであり、利用者のサービス調整者であるケアマネジャーの困惑は利用者の声を強く反映しているものと認識しております。

※「総合事業に関する調査」

https://aging-and-well-being-labo.com/surveys_20211130_sougoujigyounikansuruchosa/

総合事業の大規模実態調査や実情に沿った議論を要請

これらの調査結果より日本デイサービス協会では、協会理念に照らし合せデイザービス事業者が持続可能なサービス提供と高齢者の視点に立った総合事業制度の現時点での問題点について大規模実態調査や検証議論が為されないまま要介護1,2の方を総合事業に移行することについては強く反対いたします。報酬のみならず、サービス事業者の事務負担の軽減、要介護認定結果によりサービスが断絶されないようスムーズな移行が可能となる制度となるように厚生労働省、保険者等でしっかり実情に沿った議論をしていくように強く求めます。

高齢者の多くは住み慣れた自宅での生活の継続を希望されていることは周知の事実であり、その実現に向けた通所介護事業の果たす役割は大変大きく、継続的に運営し続けられるように活動してまいります。