入浴介助加算Ⅱの算定状況調査結果

お役立ち

1.調査背景

2021 年4 月の介護保険改正により、入浴介助加算における上位区分としてより入浴の自立支援への取組を評価する目的として入浴介助加算Ⅱが新設された。しかしながら、加算の算定要件(Q&A)の公表が遅れたことから、デイサービスの現場では混乱が発生しているとの情報より算定状況について日本デイサービス協会加盟事業者に対し緊急実態調査を行った。

2.調査対象

●回答会員事業所数:116 事業所
●2021 年5 月のサービス利用者のうち、入浴介助加算を算定した利用者数:4,024 人
●5 月の加算位置づけまでの問題・課題(自由回答)

3.調査結果

5 月の介護請求給付において入浴介助加算を算定された4,024 人中、2,615 人が入浴介助加算Ⅱの算定,算定率65.0%となった。日本デイサービス協会では、自立支援に向けた理念のもと活動している事業者が加盟している為、非会員事業者を含めると算定率はもっと低い数値であることが予想される。
本結果より35%が、入浴介助加算Ⅰの算定となったが、②に示すような問題が発生しておりデイサービス事業者とケアマネジャーの間でトラブルが発生していることがわかった。
また、入浴介助加算Ⅱの算定にあたり、利用者およびその家族とのトラブルは少なく、80%以上の事業者でケアマネがなんらかの拒否や否定的意見があったと回答があり自立支援に向けた取組の理解等の啓蒙活動が必要という課題が見つかった。
一部では地域毎に算定率に差があるなどミクロ的な視点での差異が大きく発生している可能性も見えてきており、引き続き経時的な調査が必要である。

 

②加算算定において問題になったことや特記報告

※複数同内容の報告事項を列記。回答は概ねケアマネジャーとの調整中に発生した問題。

・居宅事業所全体(会社全体の方針が決まってない為加算の取得は認めないといわれた。)
・居宅事業所の方針で入浴介助加算Ⅱは全員算定しないことにした。
・入浴介助加算Ⅱがこれまでの入浴介助加算とどうちがうか、私が理解していないから算定しない。
・自分の居宅で、加算II にするのは〇〇事業所さんだけで、他は聞いたことがない。と言われた。
・ケアプランの更新時まで、加算の算定は検討しないと言われた。
・デイサービスに通所する意味とこの加算の算定は矛盾している
・デイを利用する意味が矛盾している→今後紹介しないとも言われた。
・これ以上加算とられると他の施設に流すと言われた。
・自宅で入って評価するなんて不可能と言われた。
・自宅に風呂がないので、自立に取組む必要がない。
・ご自宅に入るなんて不可能、入ってほしくない。(家族・ケアマネ)
・認知症なので無理。
・自宅にお風呂がそもそもないので必要ない。
・他の事業所は様子を見てるのに、算定するんですかと言われた。
・担当者会議の開催を行うまでは算定できないという理由で、担当者会議の開催待ちとなり算定がすすまないケースが存在する。
・限度額超過の懸念がある方は控えてほしいと話しがあった。